がんサポーティブ外来(がんと心臓病外来)
がん治療中・治療後の「つらい」「不安」に。専門医が伴走し、あなたらしい日常を支えます。
がん治療により、心臓・血管へのダメージが起きることをご存じですか?
抗がん剤によって心筋障害(心不全)、高血圧、不整脈、狭心症が引き起こされます。放射線治療では、狭心症・心筋梗塞や心臓弁膜症が晩期(治療後5−10年以降)に起きるとされています。がん自体でも静脈血栓症が引き起こされることもありますし、手術の後は心臓に直接の障害がなくても筋力・呼吸機能の低下による息切れが生じることもあります。
がん治療による心臓・血管障害は、症状がない場合でも徐々に進行している可能性があり、早期発見・早期治療開始が非常に重要となります。がん治療による心臓・血管障害は、生活の質(QOL)や心のバランスにも大きな影響を与えるため、専門的な知識を持った医師による診察、フォローアップが重要です。
院長は日本で唯一、循環器専門医、がん薬物療法専門医のダブルライセンスを持っており(2025年4月時点)、九州大学病院にて「腫瘍循環器(がんと心臓病)外来」を立ち上げた実績を持ちます。
がん治療医や専門病院と連携しながら、がん治療中、がん治療後(がんサバイバー)の患者様の心臓・血管疾患を一人ひとりに合わせたサポートを行います。
🩺 このような方におすすめです
- がん治療中・治療後、疲れやすくなった/息切れしやすい
- むくみ、動悸、胸の違和感がある
- がん治療後に心臓の評価をしていない
- 体力や筋力が落ちて日常生活が不安
- 血圧・血糖・コレステロールなどが気になる
- がん治療は終わったのに、「どこに相談していいかわからない」
🔍 対応内容・ご相談例
■ 全身状態のチェックと内科的フォロー
- 倦怠感・発熱・浮腫・呼吸苦などの内科的症状の確認と対処
- 血液検査・心電図・エコー・ABIなどを用いた心機能・血管内皮機能のスクリーニング
■ がん治療に伴う心臓・血管疾患のケア(腫瘍循環器)
- 抗がん剤による心筋障害(心不全)や不整脈等のモニタリング
- ホルモン療法中の定期的な心臓モニタリング
- 放射線治療後の心血管病発症予防、治療
- 造血幹細胞移植、CAR-T細胞療法後のフォロー
- がん治療関連静脈血栓症の評価、治療
- 手術後の倦怠感・呼吸苦の精査、治療
■ 疲労感・体力低下への対応
- リハビリテーション(腫瘍循環器リハビリテーション)
- 栄養・運動・睡眠のトータルケア
- がん性悪液質によるサルコペニア・フレイルの進行
■ 慢性疾患のコントロール
- 治療中/治療後の糖尿病・高血圧・脂質異常症の管理
- 薬の副作用との兼ね合いを考慮したバランスの取れた治療方針
🤝 がん治療中の医療機関との連携
がんセンター・大学病院・がん診療拠点病院の主治医の先生と紹介状や診療情報を共有しながら、切れ目のない医療を提供いたします。
「今はがん治療が一段落したけれど、相談できる場所がほしい」――
そんなときに、地域の“もう一つの安心の場”として当院をご利用ください。
🌱 「がんがあっても、安心して暮らす」ために
がんと心臓病、どちらも命に関わるからこそ、安心して治療に向き合えるように。 「循環器のリスクがあるけれど、治療をあきらめたくない」 「まず検査だけでも受けておきたい」 そのような思いに、私たちが専門的に寄り添います。
がんのある人生は、治療中も治療後も続いていきます。「異常がない」ではなく、「気になる不調がある」という声に耳を傾けること。私たちはそれを何より大切にしています。
小さな体調の変化から、今後の生活・治療の選択まで、どうぞ安心してご相談ください。