糖尿病
糖尿病とは
糖尿病は、血液中の糖(ブドウ糖)が正常より多くなる病気です。インスリンの作用が十分でないために、ブドウ糖が有効に使われずに血糖値が高くなってしまいます。
日本では約730万人の患者がいると推定され、成人の約7人に1人が糖尿病またはその予備群とされています。放置すると深刻な合併症を引き起こすため、早期発見・早期治療が重要です。
糖尿病の種類
🧬1型糖尿病
膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる自己免疫疾患。主に若年で発症し、インスリン治療が必須
🍔2型糖尿病
インスリンの分泌低下や効きが悪くなることで発症。生活習慣病の代表的疾患で、糖尿病患者の約95%を占める
🤱妊娠糖尿病
妊娠中に初めて発見または発症した糖代謝異常。母体と胎児の両方に影響を及ぼす可能性がある
💊その他の糖尿病
膵疾患、内分泌疾患、薬剤による糖尿病、遺伝子異常による糖尿病など、特定の原因による糖尿病
診断基準
糖尿病の診断は、血糖値とHbA1c値に基づいて行われます。
|
検査項目 |
正常値 |
境界型 |
糖尿病型 |
|---|---|---|---|
|
空腹時血糖値 |
<110 mg/dL |
110-125 mg/dL |
≥126 mg/dL |
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随時血糖値 |
- |
- |
≥200 mg/dL |
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75gOGTT 2時間値 |
<140 mg/dL |
140-199 mg/dL |
≥200 mg/dL |
|
HbA1c |
<6.0% |
6.0-6.4% |
≥6.5% |
糖尿病の診断
- 「糖尿病型」を別の日に2回確認(うち1回は必ず血糖値で)
- 血糖値とHbA1cが共に糖尿病型
- 糖尿病型(血糖値)+典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)
症状について
糖尿病は初期段階では症状が軽微または無症状のことが多く、健康診断で発見されることがほとんどです。血糖値が著明に高くなると特徴的な症状が現れます。
糖尿病の主な症状
🚰多飲(のどの渇き)
血糖値の上昇により脱水となり、異常にのどが渇いて大量の水分を摂取したくなる
🚽多尿(尿の回数・量が多い)
高血糖により尿中に糖が排泄され、水分も一緒に失われるため尿量が増加する
😴疲労感・だるさ
ブドウ糖が細胞に取り込まれにくくなり、エネルギー不足により疲れやすくなる
📉体重減少
ブドウ糖が利用できないため、脂肪や筋肉を分解してエネルギーとするため体重が減少する
👁️視力低下
高血糖により眼の水晶体の形が変化し、視力がぼやけたり見えにくくなる
🤲足のしびれ
高血糖が続くことで末梢神経が障害され、手足にしびれや痛みが現れる
緊急受診が必要な症状
- 血糖値400mg/dL以上
- 意識がもうろうとする
- 激しい嘔吐・下痢
- 脱水症状が強い
治療方法
🍽️食事療法
- 適切なカロリー摂取
- バランスの良い栄養配分
- 血糖値の急上昇を避ける
🏃♀️運動療法
- 有酸素運動(ウォーキング等)
- 筋力トレーニング
- 運動強度・頻度の調整
💊薬物療法
- 経口血糖降下薬
- インスリン注射
- GLP-1受容体作動薬
治療目標
糖尿病治療の目標は、血糖値を適切にコントロールし、合併症の発症・進展を防ぐことです。治療は食事療法・運動療法を基本とし、必要に応じて薬物療法を行います。
血糖管理目標
- HbA1c 6.0%未満:血糖正常化を目指す目標
- 食事療法や運動療法、あるいは低血糖などの副作用がない薬物療法で達成可能な場合の目標です。
- HbA1c 7.0%未満:合併症予防のための基本目標
- 糖尿病の三大合併症である神経障害、網膜症、腎症の発症・進展予防に効果的です。
- HbA1c 8.0%未満:治療強化が困難な場合の目標
- 低血糖のリスクがある場合や、その他の理由で治療を強化できない場合に考慮されます。
*HbA1cの目標値を達成するための目安
- 空腹時血糖値:130mg/dL未満
- 食後2時間血糖値:180mg/dL未満
合併症
糖尿病は「合併症の病気」とも言われ、血糖値の高い状態が続くことで全身の血管や神経に障害が起こります。適切な血糖管理により合併症の進行を防ぐことが可能です。
👁️糖尿病性網膜症
網膜の血管が障害され、視力低下や失明の原因となる。定期的な眼底検査が必要
💉糖尿病性腎症
腎臓の機能が低下し、進行すると人工透析が必要となる。蛋白尿の早期発見が重要
🦶糖尿病性神経障害
手足のしびれ、痛み、感覚低下が起こり、足病変のリスクが高まる。足のケアが重要
❤️心血管疾患
心筋梗塞、狭心症のリスクが2-4倍高くなる。血糖管理とともに血圧・脂質管理も重要
🧠脳血管疾患
脳梗塞、脳出血のリスクが高まる。血糖値、血圧、脂質の総合的な管理が必要
当院での治療方針
👨⚕️内科専門医、糖尿病認定医による包括的治療。
総合内科専門医として、糖尿病とその合併症を総合的に管理
📊詳細な心血管病合併症評価
定期的な腎機能検査、心電図・心エコー検査等による合併症の早期発見
🏥心臓リハビリテーション(心血管合併症対応)
心血管合併症の再発予防のための運動療法プログラムと専門的リハビリテーション
📅継続的なフォローアップ体制
定期的なHbA1c測定、合併症スクリーニング、適切な受診間隔での継続的な管理
お気軽にご相談ください
糖尿病は適切な治療により、合併症を予防し健康的な生活を維持できる疾患です。
早期からの適切な管理で、質の高い生活を続けましょう。
*本資料は医療情報の提供を目的としており、診断や治療の代替となるものではありません。
症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
